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続・あなたの色に染められて

第14章 言葉 ~番外編~


…グスンッ

恥ずかしいとかあなたの思うままにとか

『泣き虫。』

そんなことを考えもせずにすべてをさらけ出した夜

『いいじゃないですか…』

ずっと心の奥底に眠っていた不安を意図も簡単に取り除いてくれた。

愛し合ったあと、こんな風にぬくもりを全身で感じながら寄り添う幸せな時間。

これこそ久しぶりだった。

幸せすぎて胸がいっぱいで涙が出ないわけないじゃない…

京介さんは涙が止まるのを待つように優しく髪を撫でながら額にキスを落とす。

『なぁ、これからは月に一度ぐらい二人で出掛けないか?』

素敵な提案をしてくれた。

『お袋たちに甘えることになるけど俺との時間を作ってくれないか?』

京介さんだけの私に戻れる日

『ダメ?』

オンナに戻れる日

『お義母さんたちがいいって言うなら…』

たくさん愛してもらって少し欲深くなってしまったかな。

『私も独り占めしたいです。』

私は京介さんの胸に唇を這わせ一点をキュッと吸い上げた。

『珍しいな。』

自分で付けたアザにもう一度キスをして

『魔除け…です。』

こんなの付けたってすぐに消えてしまうのにね。

でも、私たちは似た者同士

『俺も付けたよ、魔除け。』

『え?子供たちに見られたらどうするんですか?!』

私も今付けたばかりなのに棚にあげてさっと起き上がりうす暗い光の中胸の周りを見ると

『バーカ。俺が付けたのはここだよ。』

『ヒャッ!』

あなたしか付けられないところ

二人が繋がることのできる場所の内側

『うちのカミサンは俺をおいてすぐに出張行っちゃうからな。』

『それは…仕方ないじゃないですか。』

腕を引かれてシーツの上に戻されると私の瞳を覗き混みながら

『おまえは俺のモノだ。』

判りきったことを言って

『…んぅ。』

私の口に長い舌を入れてきた。

体が蕩けてしまいそうな甘いキスにもう一度すべてをさらけ出す。

『…もう一回…愛して?』

『言ったな?』

クスリとお互いを微笑み合えば自然と私の腕は彼の背に回る。

『乱れ狂るわすよ?』

『いいですよ。狂わせてください。』

少し正直になりすぎたかな。

でも今日は素直に言葉を紡ごう

『せっかくの離れですからね。』

『おまえなぁ。』

まだ夜は終わらない

…愛してるから

今日はあなたに溺れたいの。

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