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素肌

第2章 1.苦色(にがいろ)

「深津君。」

院生室のドアをノックもせず開け、名前を呼ぶ。

「大森先生。チェック終わりました?」
「うん、赤で修正入れてるからすぐ直して。相変わらずミス連発よ。」

そう言って真っ赤に染まった論文を手渡す。

「うへえ…こりゃ時間がかかりそうだ。」

名前に似合わない細い腕で頭を抱えながら、深津太志はヨロヨロと自分の席に戻った。

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