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黒子総受け短編集【黒子のバスケ】

第2章 壊れた少年を救う光は

「What? Can't be bothered…
 (何だよ? めんどくせぇ…)」

…………何故、英語?
そして何故、何故………上半身裸?

黄瀬は男に、そう思った。





出てきたのは、赤髪に特徴的な眉毛を持つ男だった。
背は黄瀬よりも高く、声もなかなかに格好いいといえる。
何より、男は整った顔立ちをしていた。
それがまた、黄瀬の思考を停止させた。

「Really Can't………あ、ここ日本か。
 ………で、アンタは?」

いや、アンタこそ誰だよ。
そんな言葉が黄瀬の口から出かけた。
しかし黄瀬は咄嗟に口元を押さえ、何とか阻止した。
この男には聞きたいことが山ほどあるが、それよりも今は黒子の安否だった。

「……アンタ誰?
 何で黒子っちの家にいるんスか?」

黄瀬がそう言うと、目の前の男は一瞬、きょとんとした顔をして……そしてすぐ大きな溜め息を漏らした。

「テェーツゥーヤァー?」

鬼の形相、とまではいかなくとも迫力満載な表情で、男は後ろを振り返った。
………そこには。

「うぅー……うるさいれすよ…かぁみくんは…
 …しぇいくおごってくらさい………」

___呂律の回ってない、まるで子供のような黒子テツヤが、床に座り込んでいた。

「…………え、えぇっと…?」
「……あ……だれ…………?
 かぁみくん……おともだちですか…?」
「おーおはよ、テツヤ」

ちゅっ
男はテツヤの額に軽くキスをした。
黄瀬はこれには心底驚き、次いですぐ二人をベリッと引き剥がした。

「ちょ、ちょちょちょっとアンタ!!
 黒子っちに何してるんスかぁ?!」
「なんです…?
 ………ひかりは…かげと…いっしょ…」

でしょ? と聞くテツヤ。

「ああ………ずっと、だ」

眠り目を擦るテツヤと、赤髪の男。
そして駄犬。





久々に会った彼は、赤髪の『光』と共に笑いあっていました……

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