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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

「なんか精霊って一発目は凄いけど、二発目は弱いわね」


<精霊って、強くなるごとで強い技が増えるんやけど、エネルギーはなかなか増えへんのやわ>


「めんどくさいなぁ……」


 だが莉子は、元ヤンキーならではの、機転をきかせた。


 岩顔の後ろに回り込むと、ツルにぶら下がったコウヤの位置を確認した。


 そして、勇者のナイフに2枚の葉っぱを突き刺し、力一杯にダーツの要領で投げた。


『シュッ!!』


 ナイフはコウヤの肩をスレスレに飛び、岩顔の皮膚に突き刺さった。


「うおわっ!! あぶね!! こら!! 桃尻娘っ!!」


「ごめーーん」


 かなりヒヤヒヤした。


 コウヤはナイフを抜くと、葉っぱだけを取り、ナイフを背中のホルダーに放り込んだ。そして、何を思ったのか葉っぱを2枚共食べてしまった。


「あ……何やってんのコウヤ……全部食っちゃった」莉子は呆れた。


 だが、それはそれで結果オーライとなった。


 岩顔の髪の手を、腕力だけで打ち崩していく。



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