テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 莉子はネズミ色の石を、岩顔の口に入れた。


 その瞬間を見た純化は、大きく叫んだ。


「石の精霊、やったれーー!!」


 石は精霊の姿に変わると、口の中に岩を降らせた。


『ゴン! ゴゴンゴンゴンゴン!!』


 次々に溢れ出るくらいにたまる岩の塊。


 岩顔は吐き出すが、吐き出す早さよりも、溜まる早さの方が勝った。


 口一杯に岩が詰まり、岩顔は身動きが出来ない。


「まだまだ、元紅夜叉連合総長のあたいをなめるんじゃないよ!!」


 莉子は、口からこぼれた岩に乗ると、大きくジャンプし、岩顔の両目を横一文字にナイフで傷付けた。


「ザマーミロ!!」


 まるで、くの一の様に着地する。


 完全に動きを封じられた岩顔は、頭の腕をウネウネとくねらせた。


<早く、あの二人にこれを>


 ソーヤが葉っぱを2枚出して莉子に渡した。


「ちょっと待って、私にはあそこまで届かないって……なんか、いい技出ないの!?」


<この葉っぱは今までより強いんよ。そやさかい、これだすだけで、かなりのエネルギー消耗すんねん>



ストーリーメニュー

TOPTOPへ