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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 岩顔は悶えながらも口の中の岩を、一個ずつ吐き出していた。


「ウォーー!!」


 コウヤが全力で走ってきた。


 そして、岩顔の後頭部めがけ、ジャンプしながら両足で蹴りあげた。


 プロレス技で言うドロップキックだ。


 パワー漲るコウヤのドロップキックの威力に、岩顔は揺らぎ、岩を吐き出した。


 その衝撃のあまり、歯はボロボロに砕け、歯茎も血だらけになっている。


「怪物でも赤い血が流れてんのか!? まだ、止めが終わってないぜ!!」


 コウヤは正面に回る。


「おっと、こいつを回収しなきゃな」と地面に転がっていた、ネズミ色に光る石の精霊を拾い上げた。


 そして、プロレスラーコウヤの技が炸裂する。


 グッと岩顔の顎の下に手を持っていく。


 そして、力任せに岩顔を持ち上げた。


「す、スゲェ……」と球也は息を飲む。


「ドゥオリャーー!!」


 全身に血管を浮かばせ、コウヤは一気に担ぎ上げた。


 そして、山積みになった岩の上に、豪快に投げ落とした。


『ズズン』と大きな音と共に、岩が崩れ落ちる。 


『グァラグァラガーーン!!』



「勝った……やったぞ」


 球也はホッと胸を撫で下ろす。



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