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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 球也の足が止まった、次の瞬間……


『ピシピシピシピシッ』


 突然、発生したクリアな透明の物体が、パキパキという音と共に、燃え盛るゼラチナスオイルキューブを囲みこんだ。


 ゼラチナスオイルキューブは焼け溶け、一回り小さくなっていた、


 瞬く間に火は消え去り、後は地に散らばった細かい火が残るのみだった。


「おい、そっちの者、細かい火を消しなされ」



 再び声が聞こえると、純化がそれに反応した。


「あ、はい……」


 水の精霊が放水を始めると、散らばった火は次々に消火されていく。



「コウヤ!!」


 プスプスと白煙が充満する洞窟の中、莉子が倒れたコウヤの元に近寄る。


「バカァッ!! なんであんな無茶するのっ!!」


 叱咤して呼び掛けるが、まったく返事をする様子がない。


「コウヤさん……まさか、死んじゃったの……」球也がしゃがみこみ、心配そうに見つめる。


「息があるんだったら、早いとこ薬を飲ませい。お前達、持っとるじゃろ」


 洞窟に響くその声は、かなり年配の男性のようだった。


 思い出したかのように、球也はバンタリンから貰った薬を、コウヤの口の中に押し込んだ。



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