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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 その薬は、コウヤの口の中で、フワッと柔らかく弾けとんだ。


 すると、火傷で焦げついた体が、みるみるうちに修復されていく。


「すごい……こんなにすぐ効果あるんだ」と莉子は目を丸くする。


「これ、持ってかえりたいですね」球也はその薬をマジマジと見つめる。


 純化が、ゼラチナスオイルキューブに近寄った。


「これ、凍ってるみたいやね。いったいなにが起こったんやろ……」


 そう言って、ゼラチナスオイルキューブの塊を叩く。


「おい、その倒れてるやつを移動させい」


 また声がした。どうやら凍り付いた、ゼラチナスオイルキューブの向こう側から話してるようだ。


「えっ!?」純化が聞き返す。


「聞こえんのか? いま倒れてるそいつをそこから離せと言うとるんだ!!」


「えっ!? あ、はい」



 純化はコウヤの元に寄った。


「ねえ、さっきからなんだかんだ言ってるのだれよ」


 莉子が不機嫌な表情を見せ、鬱陶しそうに言った。


「さあ? とりあえず、ここから離せって言うてるわ。きゅう坊、足を持って」


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