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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

 ユング(藤山輝)と言う小さな仲間を入れた一同は、次の目的地の村に向かった。


 途中、亀に蛇が絡んだような怪物と戦い、精霊達の力も上がってきた。


 長く続く砂利道を歩く。天からは、ジリジリと太陽が日を射してくる。


 日陰らしい場所が、なかなか見当たらないサバンナのようだ。


 水もなく風も吹かない炎天下の中、水分とスタミナだけが奪われていく。ソーヤや、水の精霊も戦いに疲れ、石になったまま。


 ようやく見付けた木陰の下で、一同は休憩をとることにした。


「これ、ヤバいわよ……絶対に熱中症になるわ」


 莉子は木にもたれ、座り込んだ。


「でも皆さん、ちょうどいい木に休憩とりましたよ」とユングが言う。


「どういうこと?」


 莉子が尋ねる。


 ユングはもたれている木を、コンコンと叩いて言った。


「この木から水を頂くんだよ」


 球也がチャンスとばかり、顔を上げる。


「この木から? これがほんまの水飲み木(水飲み器)、ドラマに出るのは水野美紀なんて……」


 球也のダジャレには、誰も何も言わなかった。


 ユングは、コウヤの背中にある斧を指差した。


「コウヤさん、いっちょそいつで、この木の真ん中に切れ込み入れて下さいよ」


 そう言うと、コウヤはおやすいごようと立ち上がった。



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