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修練の鏡と精霊の大地

第9章 病

 コウヤと莉子は、茂みに隠れていた。


 ワラワラを発見したのだ。


 莉子は両手にナイフを握り、うごめくワラワラの様子を窺っていた。


「あいつの腕一本でも切り取ってやりたいよ……でも気持ち悪い」


 莉子はやや躊躇していた。


「あいつに俺の攻撃が効くかどうかわからないが……いっちょ、蹴り上げてやるか」とコウヤが自分の足をさすって言った。


「待って……相手はカビだよ!? カビとプロレスする気?」


「俺、ここに来てからわけわかんねぇのとばかり闘ってるから、なんか感覚が麻痺っててよ。武器に頼らず力で倒したいんだ」


「けど、あれに打撃は粒子が散るからダメだって言ってたじゃん。やっぱり、スパッと切れるこいつでなんとかするわよ」


 莉子の持つナイフが光り、表面にワラワラが写る。


「じゃ、俺がおとりになる。桃尻は後ろからスパッといってくれ」


「えっ!? ちょっと、いくら体を布で防御してても、それは危ないんじゃないの?」


「薬が出来るんだろ!? じゃあ、後からそれにかけるしかない」


「もし、キュウと奈美ちゃんが取ってこれなかったらどうするの!?」


「取ってくるよ。必ず……」



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