テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

 コウヤは一人、村に向かっていた。まるで忘れ物を取りにいくかのように……。


「まさかな……俺の思い込みであってくれ」


 ある疑問が頭の中を廻る。それをハッキリさせなければ、これから先の旅が続かない。忘れ物、それは自分が思ったある疑問の確認だった。


 村が見えてきた。


 徐々に、村へ近付く。


 遠くに、なにかを見付け「あれ!?」と思わず声を出した。


 村の入り口付近に人が一人、倒れている。


 コウヤは走りよった。


 そこに倒れていたのは……莉子だった。


「も……桃尻!!」


 莉子はうつ伏せるように倒れていた。見たところ、なにかに襲われた様子はなかった。


 コウヤは莉子の背中をさすってみた。


「おい!! どうしたんだよ!! 大丈夫か!?」


 微かに息はしている。


 だが、コウヤの声には反応せず、ピクリとも動かない。


「おいっ!! 桃尻ぃーっ!!」


 コウヤは必死に呼びかける。




「ZZZzzz……」


「ん!?」


「ZZZzzz……グコッ!!」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ