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修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

<おもいきって押したらええやん>


 球也の懐からソーヤが飛び出し、ボタンの上に着地した。


『カチッ』


「!!!!!!!!」


 球也の顔が、小麦色からブルーに変色した。





 なにも起こらない。


 奈美がチョンチョンと固まった球也の肩をつつき、『↑』の示す方向を指差した。


 引きつった表情で、奈美が示す方向を見る。


「あっ!!」


 その方向に見える、中サイズほどの箱のフタが開いていた。


 中からドライアイスのような煙が、モアモアと舞っている。


「箱が勝手に開いてる……なんでや?」


 二人はその箱に駆け寄った。


 中を覗くと、箱の底に四角いボタンと『→』の矢印があった。


 球也は激しい鼓動を押さえつつ、その箱の中を覗いた。


「まてまてまて……これはこのまま押してええの?」


<なんや、こんなんも押されへんのかいな。けっこう、ヘタレやなぁ>


「こんなん、何が出るか、わからんような危険性のあるもん、気楽に押せるかい!」


 言い合いをしている間に、そのボタンを奈美が押した。


「やるなぁ……」


 球也は安堵の表情を浮かべた。



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