修練の鏡と精霊の大地
第11章 現実世界と大仕掛けの間
奈美が恐る恐る、箱の中を覗いて見た。
なにかを見つけたのだろう。球也に手招きしながら、箱の中を指差した。
球也は顔にヒゲが無いことと、奈美にシワが無いことを確認したあと、ソロッと箱の中を覗いて見た。
箱の底の真ん中に、小さな四角いボタンがあり、『↑』と書いてある。
「なんだこれ?」と球也は顔をしかめる。
上ってことだろうか? しかし、底にあるボタンなため逆から見れば下ってことも考えられる。
もしかしたら見る方向からして左右どれかを示しているとも考えられる。
開けたフタの向きを考えれば『↑』であるが、この場合の上は方向からして、北側だ。
だが、今の二人はどこがどの方角かを知るよしもなかった。
「とりあえず、押してみたらええんちゃうかな?」
箱を覗きこみ指を伸ばす。
押せばどうなるかがわからない。
爆発するのかもしれない。『↑』の方向から何か出てくるのかもわからない。
重みのある恐怖だった。
「いくぞぉ……いくぞぉ……押すぞぉ……」
もう後、1cmが伸びない。ちょっと身を乗り出せば軽く届くはずなのだが、なぜかそれが出来ない。
なにかを見つけたのだろう。球也に手招きしながら、箱の中を指差した。
球也は顔にヒゲが無いことと、奈美にシワが無いことを確認したあと、ソロッと箱の中を覗いて見た。
箱の底の真ん中に、小さな四角いボタンがあり、『↑』と書いてある。
「なんだこれ?」と球也は顔をしかめる。
上ってことだろうか? しかし、底にあるボタンなため逆から見れば下ってことも考えられる。
もしかしたら見る方向からして左右どれかを示しているとも考えられる。
開けたフタの向きを考えれば『↑』であるが、この場合の上は方向からして、北側だ。
だが、今の二人はどこがどの方角かを知るよしもなかった。
「とりあえず、押してみたらええんちゃうかな?」
箱を覗きこみ指を伸ばす。
押せばどうなるかがわからない。
爆発するのかもしれない。『↑』の方向から何か出てくるのかもわからない。
重みのある恐怖だった。
「いくぞぉ……いくぞぉ……押すぞぉ……」
もう後、1cmが伸びない。ちょっと身を乗り出せば軽く届くはずなのだが、なぜかそれが出来ない。