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修練の鏡と精霊の大地

第12章 光と虹の橋

 広い石の間の真ん中に、大きく穴が開き、鉄柱樹がその天井にまで伸びていた。


 その奥には、周りを石で組まれてある、赤い社のようなものが、ポツリとあった。


 社の奥には壁はなく、外がよく見える。


 それとは別に、窓のような四角い穴が、いくつも壁にある。外はどうやら、もうすぐ朝を迎えるようだ。


 そこに、白く変色し、ピクリともしなくなったソーヤが寝かされた。


「球也さん……ソーヤは死んでないよね?」


 心配そうに、奈美が嘆く。


「精霊が死ぬもんか。粉々になった火の精霊も、時間がたてば、元に戻るって言ってた。大丈夫やで」


 確信はなかった。だが、球也も、ソーヤが死んでいるとは思いたくなかった。


 小さな体で、小指の先ほどの鉄柱樹の芽を、精霊のパワーだけで育て上げ、ここまで運んでくれた。


 鉄柱樹の驚異的な固さも驚きだが、精霊のパワーも驚きだ。


「力を出しすぎて疲れたんだよきっと……、しばらく休んだら、また起きて僕とおもろいこと言いよるわ」と球也は言った。


 すると……。


「残念だが、そうなったらもう死んでいる」


 どこからか声がした。


「誰?」と球也は辺りを見渡した。



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