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修練の鏡と精霊の大地

第12章 光と虹の橋

 そこにいたのは、頭に赤いバンダナを巻いた、体格のいい男だった。


 球也はその男に見覚えがあった。


「あれ!? 確かあのでっかい暴れ樹木の時に……」


「覚えてくれてたか? 佐田ってんだ」


 この男は巨大な肉食樹に追われている時に、助けてくれた格闘家の男、佐田勇樹だった。


「名前忘れたけど……あの時はありがとうございました。確か、コウヤさんとなんか張り合ってたんちゃうかなぁ?」


「まあ、そうだな。やつはレスラーだし、まあ、あまり相手にはならないがな……て、そこにいるの、大森奈美ちゃんじゃない?」


 勇樹は奈美の存在に気付いた。


 奈美は表情を変え、サッと球也の後ろに隠れた。


 奈美は球也達と共にする前は、勇樹達と一緒に行動していた。


 勇樹は「フン」と鼻で笑うと、床に寝かされたソーヤを指差した。


「精霊ってのは破壊されたりしても、時間がたてば元に戻る。だが、力を極限まで放出すれば死んでしまう」


 それに奈美がかみついた。


「違う!! ソーヤは死んでない!!」


 勇樹はギョッとした。


 奈美が喋るのを初めて見たからだ。


「奈美……お前、喋れるようになったのか?」


 奈美は頷いた。



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