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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

 どれだけ歩いたのだろうか?


 かなりの時間、光と虹の橋を歩いているような気がする。


 振り向けば、まだあの塔が見える。


 距離的にはそれほどすすんでいない。


 橋の幅は、約1メートル。


 正確には102cmほどだろう。


 ミリにすると1020mm。


 ミリで考えると、まあまあ広く感じる。


 だが、現実は約1メートル。


「これ、どこまで歩くんよ……むっちゃ座りたいけど、座るのが怖いっちゅうねん」


 球也にも疲労が見えてきた。


 ゆっくりと歩くことに神経を使い、体も強張ってくるのか、やや疲れが出ていた。


 気が付けば、空も青く、明るくなってきている。


 奈美はスッスッと、どんどん先に進む。


 球也から、すでに50メートルほどの差がついている。


「奈美のやつ、怖くないのか? あいつスゲーなぁ」


 勇樹は高所恐怖症ではないが、 柵もなく、いつ落ちるかわからない超高所の橋の上では、自然と足が震えた。


「チクショー、先が見えないほど怖いもんはないな。おぉーーい!! 奈美ぃーー!! なぁーみぃー!」


 勇樹はかなり前にいる奈美に声をかけた。



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