
修練の鏡と精霊の大地
第13章 橋の上の攻防
額から汗が流れる。
その汗が頬をつたい、アゴへと落ちる。
『ピチャッ』
奈美のアゴから二滴の汗が落ちた。
その水滴が橋の上で弾けた。
汗が空中で弾けたかのように見えた。
目には見えなくても、ちゃんと橋がある。
橋の存在を、改めて確認できた。
すると、樹木の精霊が奈美の肩から、ピョンと降りた。
そして、しきりに、斜め右方向を示している。
「えっ!? 右? 真っ直ぐじゃないの!?」
奈美はゾクッとした。
もし、精霊がいなかったら、このまま知らずに真っ直ぐ進んで、落ちていたかもしれない。
だが、どの角度で曲がって行けばいいのか、わからない。
どうしても躊躇してしまう。
「球也さぁーん、ここから少し右にカーブしてるみたいなんですぅ……行けますかーーっ!?」
奈美は後ろを向いて、球也に声を投げた。
球也の動きが止まった。
「えっ!? 真っ直ぐじゃないの!? 嘘や、勘弁してえな……」
見えなくても、真っ直ぐなら少しずつ確認して進むことはできる。
ただ、カーブがあるとするならば、どの辺りから曲がるのかを確かめなければならない。
その汗が頬をつたい、アゴへと落ちる。
『ピチャッ』
奈美のアゴから二滴の汗が落ちた。
その水滴が橋の上で弾けた。
汗が空中で弾けたかのように見えた。
目には見えなくても、ちゃんと橋がある。
橋の存在を、改めて確認できた。
すると、樹木の精霊が奈美の肩から、ピョンと降りた。
そして、しきりに、斜め右方向を示している。
「えっ!? 右? 真っ直ぐじゃないの!?」
奈美はゾクッとした。
もし、精霊がいなかったら、このまま知らずに真っ直ぐ進んで、落ちていたかもしれない。
だが、どの角度で曲がって行けばいいのか、わからない。
どうしても躊躇してしまう。
「球也さぁーん、ここから少し右にカーブしてるみたいなんですぅ……行けますかーーっ!?」
奈美は後ろを向いて、球也に声を投げた。
球也の動きが止まった。
「えっ!? 真っ直ぐじゃないの!? 嘘や、勘弁してえな……」
見えなくても、真っ直ぐなら少しずつ確認して進むことはできる。
ただ、カーブがあるとするならば、どの辺りから曲がるのかを確かめなければならない。
