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修練の鏡と精霊の大地

第2章 物語の扉

「すべてではないが、フェアリー王国にある植物は人間の世界にもある。我々の先祖が新たな植物を作り、必要なものを人間界にも持っていったんじゃ。勇者様が今まで口にしてきた食物の元祖が、ここで作られた物なのです。驚きましたかな?」


「はい、驚きました……ビックリっすわ」


 本心はそうでもなかった。


 へぇ〜……程度しか思わなかった。


 鏡から入って、ここにいること以上の驚きではなかった。


「さて、ここで本題じゃが……」


「ずっと本題じゃないですか……」


「今から50万年前……」


「いや、ここでの時間を考えるといつぐらいか、わからん」


「我々、フェアリー王国……いや、人間界の日本の作物の将来にも関わる事やも知れませぬ」


 ヌカーは座り直し、深刻な表情を浮かべる。球也は他人事の様に、お汁粉をすする。


「勇者様……闇神の誕生を阻止してはくださらぬか!!」


「ヴッ!!」


 お汁粉を吹き出した。


 かなりの急スピードで直球を投げられ、まったくそれを打ちかえせなかった。



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