テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

 汚ない字で、ぶしつけな文章だった。


 奈美は、泣いていた。


 自分のためにしてくれたとは言え、荒く不器用な男のやり方に腹がたち、そして救うことが叶わずに散っていったことに悔しさを覚えた。


 そして、その手紙をそっと胸にしまった。


 本当は、奈美も耐えていた。球也に心配をかけまいと……。


 そして、ようやくそのゴールが、大きく姿を現した。


 塔から、大地にかかる高く長い橋。


 それは、精霊たちが行き来する、大地への道。


 いま、二人はそこに足を踏み入れる。












ストーリーメニュー

TOPTOPへ