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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

〔また、いつか奈美に会えることが出来ると思い、俺はこれを書いている。


 まずは、辛い思いをさせて悪かった。これだけは一番先に言いたかった。


 正直、子供相手だが、下心が無かったとは言いにくい。お前を相手にたまったものをぶちまけようかと、男として、思ったことは確かにある。


 お前が、俺達と会った時、何をしていいのかわからず目先を失ってたな。お前はメモに書くことしか意思表示が出来なく、気持ちを内にとじこめてしまったから喋れないとおしえてくれた。


 あの日、この世界で付き合った、あの彼女と相談して、あいつは、ごうかんのように襲ったら、怖くて叫ぶんじゃないか?


 それで、奈美は声が出せるんじゃないかと、話し合った。


 俺は悪役をかって出た。


 だが、結果、俺を怖がり、辛い傷を心に増やしてしまった。俺のせいだ。


 俺達と同じグループを見かけたとき、ここならお前も楽しくなれると思い、俺はお前をチームからはずした。


 俺の性格じゃ、素直に謝ることは出来ない。だから、これを書いた。また、会えるように願っているし、これを読んでいるなら、もう会えて、渡してるのかもな。


 俺は、ちゃんと謝ったかな?


 奈美、怖い思いさせてごめんな。嫌がらせみたいなことしてごめんな。大人の汚ない面、見せちゃってごめんな。もう、忘れてくれ。今は、本当に反省している。


 佐田勇樹〕



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