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修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

 二人はついに、その地に足を踏み入れた。


 そこはまるで、海水浴場の砂浜のように、きめ細かい砂が敷き詰められていた。


 空という大きな海を渡った二人には、ここが漂流してきた先の、無人島のように感じた。


 だが、ここはどこなのか?


 まだ、答えを示し出すものはなにもない。


「あ、球也さん、あれ」と奈美が指差した。


 そこには細長くて高い、白の三角柱に、黒く太い文字で「ようこそ精霊の大地へ」と書かれてあった。


「なんだよここ……観光地かっ!? しかも、この世界って、なぜか日本語なんやな……わかりやすくていいけどもやな……」


 だが、その建て看板があるだけで、後は木々のジャングルに高い山が見えるだけだった。


 やっとついた。


 だが、精霊の大地に到着した喜びよりも、早く水がほしい。その気持ちの方が強かった。


 砂地を抜け、木々の中に踏み込んだ。


 二人は後ろから、なにやら複数の視線を感じた。


 恐る恐る振り向いてみた。


「なっ!?」


 思わず声を上げた。


 砂地からたくさんの小人が、こちらを凝視している。


 それは、この砂地帯に生息する、砂の精霊の姿だった。


「あれ、間違いないわ。精霊やわ。あれ、団体で攻めてこんやろなぁ……」


 異様な光景に、若干驚きながら先に進む。



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