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修練の鏡と精霊の大地

第2章 物語の扉

「心に負のパワーを持っておらぬか?」


「負!?」心当たりはあるが、自分から言いたくはなかった。


「闇神は人の明るさ、プラスの力を嫌います。逆に負の思いを己のエネルギーに変えて、体内に蓄えておるのです。ネガティブな思いはやつにとっては餌になります。どうか、気持ちを強く持って頂きたい」


 球也は思った。なぜ、タクノアンは自分を選んだのかと。


「お願いします。我がフェアリー王国と、日本の人間界の未来の食と緑のために……」


「お願いします。勇者様!!」


 ヌカーとチムキは、球也の目の前で土下座をして頼み込む。


「えぇーーっ!! 嘘やろーー!! そんなんマジいややし〜」とは言えず、唇を噛み締めて考える。


 すると、ラッキオが球也の腕を、小さな手でキュッと掴む。


「お願い……ラッキオのごはん、まもって」


 真剣な眼差しで球也を見つめる。その瞳の奥が徐々に潤んでくるのがわかった。


 もうすでに闇神の妖気が、溢れ出てきているのだ。


 ラッキオは、それを必死に目で訴える。



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