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修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

 その言葉を残して、球也は井戸の底に吸い込まれていった。


「お気をつけて〜」とナナエは井戸の底を見ながら、手を振った。


 そこへ、全身に大量のワカメを被ったような生物が現れた。


「ナナエくん」


「あ、所長」 


 ワカメまみれのそれは、所長のようだ。


「きみが、裏に人を連れて歩いて行ったのが見えてな……ナナエくん、そんな井戸を覗いて、なにをしておるのかね?」


「はい、人間の若者が天の悪魔を倒すとかで、井戸の中へ……」


 ナナエは井戸を指差した。


「なにっ!? しかし、それは、都市伝説ではなかったのかね?」


「はっ? いや、私はそれは存じ上げておりませんが……」


「そこから天の悪魔やらなんやらの所に行けるなんざ、たんなる噂話にすぎない。さぁ、さぼってないで仕事したまえ」


 ワカメ所長はそう言って、その場から去っていった。


「……ま、いっか」


 ナナエも、自分の職場へ戻っていった。













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