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修練の鏡と精霊の大地

第17章 村

「なに? どういい意味だ?」


「いや、どう見ても北新地にいそうなハードゲイやもん」


「誰がハードゲイだ!! そんな名前じゃない!! 俺は、この村の一番の戦士、ニコーだ!!」


 ニコーと名乗るその男は、マッスルポーズを披露しながら、尻を振った。


 すると、ユングが「なんだそれ!? ウサギの尻尾でもつけるか?」と笑いながら言った。


 ニコーはそれが気に入らなかったのか、ユングに喰ってかかる。


「き、きさまっ、笑ったな! まずは、きさまから、俺の力で痛めつけてやろうか!!」


「はぁ? 誰に言ってんの? お前、俺が小さいからってナメてんじゃねえだろうなぁ……」


 ユングは見上げながらも、相手を睨み付ける。


 そこへ、ソーヤが忠告。


<あ、待って!! ちなみに、あのパワーリーフの効果は10分ほどや。時間的にもう戻ってはずやで>


 目が点になった。


「いま、それ言う?」


 ユングの目が下に向いた。


 ニコーは鼻で笑う。


「なんだよ、威勢がよかったのは最初だけか? まず、捕まっているそのポポ……いや、お前達が言う男だな。よこせ。ならば、素直に逃げてもいいぞ」


 それに素直に従おうと、ユングは球也を差し出した。


 とたんに慌てる球也。


「ちょちょ、待ってえな、なんで僕? あいつが言うてるの、乳首をドリルされかけたこいつでしょ!? あんなやつに捕まったらなにされるかわかりませんわ!! ユングさん行ってえや……」


「バカ! あんなやつとじゃ、体格が違いすぎる。それに、気持ち悪い。あれはコウヤさんの専門だろが!」


 二人のやり取りに痺れを切らす。


「えーい!! なにをゴチャゴチャしてやがる!! 用件が呑めないようなら、きさまらまとめて相手してやろうか!!」



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