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修練の鏡と精霊の大地

第18章 闇の者

<球也、ほら、いまのうちや>


「いや、あの状況がいまのうちか? てか、どうすればいい?」


<うちを鏡に近付けて>


 球也は言われた通り、ソーヤを鏡の横にソッとおいた。


<アワイタキイラカエエモデコド>


 ソーヤは鏡に向かって、そう言った。


 すると、鏡の表面に渦が現れた。


「えっ!? なにこれ!」


<行くで、鏡の中に……>


「はぁっ? ちょっと、またあの世界に行くの?」


 振り向けば、巨大なヤギに舐められている警官。


 あのヤギが闇の者なのかどうか、疑問に思うまま、球也は鏡に手を入れた。


 グイッとなにかに引っ張られるように、鏡に吸い込まれていく。部屋で鏡に入った時とは、まったく違う感覚だった。


 警官の目の前でバットと荷物を手にした球也が、鏡飲まれるように入って消えていった。


 しかもその後、鏡そのものも消滅してしまった。


「な、なにぃーっ!?」


 警官は制服をヤギに食われながら、失神した。









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