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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 純化は莉子の足を抱いて、純化の足をソーヤが掴んだ。


 続いて、そのソーヤの足を球也が右手で掴んだ。


「うわっ!!」


 勇樹の体が、勢いよく鏡の中に吸い込まれる。


 それに続いて、莉子、純化と鏡に入っていった。


 鏡の外で、自由の女神のようにソーヤをかかげる球也。


「……なあ」


<なに?>


「なんで手を離したん?」


<そんなん、うちの体の大きさ見て言うてえな。力のない、こんな細い手で、掴むのは純化さんの足やで。うちからしたら、地下街の柱を掴むようなもんやで>


「異世界の者やのに、よく地下街の柱の例えが出てきたなぁ……てか、いつもの調子で長いツルを出して、くくりつけたらよかったんちゃうの?」


 ソーヤの表情から、しまった感が漂う。


<と、とにかく、今からでも遅くないから行くで!!>


 ソーヤは両手を上にあげ、シュワッチと言わんばかりに鏡の中に吸い込まれていった。


 鏡はしばらく宙に浮いたまま、渦巻きを写し出している。


 ただ、呆然と鏡を見つめる。


 球也はソッと鏡を手に取って床に置くと、ふぅ〜っと息を吐いて、座りこんだ。


 そして、持ってきたボストンバックの中からごそごそと、黄色い箱のバランス栄養食を出し、食べはじめた。


 10分ほど時が過ぎた。


 ふと、窓に目を向ける。


 相も変わらず、赤紫の空だ。


 みんな、戦っているのだろうか……。


 そんなことを思いながら、鏡に目を移す。


「みんな、頑張ってね」



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