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Dioic

第5章 共存

と、いうことがあって僕と赤(せき)の共同生活が始まったのだ。
今まで彼女が現れるのは性欲にぼくが駆られたときだけ。
その時だけ彼女に体を委ねていた。
今は違う。

そんなにいつもいるわけではないが、彼女はぼくの意識がある時出てくるようになった。

男に抱かれている時以外でも。



『純?良平が見てるわよ。うふふっ』


まじうるさい。



「純?今日カラオケ行こうって言われたけど行く?」


「あー行く。悠二達?」


「そうそう。バイトで割引券もらったらしいからあやかりに行こうぜ」


「やった。ポテトでも食べようかな」

『良平のことってあんまりよく見たことなかったけど。・・・いい顔してるのね』




放課後の時間も。





「・・・あっ、あのっ、・・っ」


めんどくさい。帰りたい。



「す、・・・好きなんですっ!わ、わわわたしと付き合ってください・・・!」


『あら、この子おっぱい大きい。いいじゃない、一回くらいヤってあげても』



ほんと、余計なことしか言わない。
人としてどうなんだ、とかぼくの口から言っても説得力ないけど。


「・・・・ごめんね。ぼくいま好きな人がいて」

理由なく断るのは悪いし、だからと言って変に理由つけるより楽だ。
一途そうなこのタイプは特にしつこいのでこういって諦めてもらったほうがいい。



「えっ・・・好きな人いるんだ・・・」


「うん。ごめんね。気持ちはすごく嬉しいよ」



「い、いえ、そんな、」


「他に好きな人いるし、もしそれで付き合っても申し訳ないから」


「う、ううんっ!純くんって・・・一途なんだね」



なんか、好感度を上げてしまっている気がするが。


「その人とうまくいってほしいな。今日はありがとう」


そう言って走り去っていく。
同じ学年だけど名前は覚えてない。一回クラスが一緒になったらしいが女子は基本的に関わらないので認知していない。


『あーあ、もったえない。あの子が純のこと好きなのなんてこの一瞬だけよ。物にすればよかったのに』


お前みたいに相手選ばないようでしてるやつは素性隠さない限り普通に生活できないよ。


『あら、失礼しちゃうわ。わたしがらあなたのストレス発散させてあげてるのに』


・・・うるさい。





こういう個人的な取り入って欲しくない時も。

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