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Dioic

第5章 共存

赤はぼくの能力については分かっていなかった。
良平が何かすると当たるというこの能力。

深夜2時頃にぼくは赤と話していた。



『それってなんだか気持ち悪いっていうか妄想なんじゃないの?』

「そう思いたいけどあまりに当たりすぎてる。見すぎてる。母さん達にも気味悪がられてるし」


『あなたの言う通りなら、良平が何人いたって足りないわよ。死にまくりよ」


「怪我とか身体的なことだけじゃないんだよ。・・・じゃあ明日の良平の朝ごはんを当てる」


『面白そうだけど当たったら気味が悪いわね。まあいいけど』


「お前に気味が悪いとか言われたくないし」


『ふふっ。照れ屋なんだから』



顔こそ見えないけどいま赤はニヤつきながらぼくをあざけているだろう。
あーあ。うざい。





「おはようございます」


「おはよう、純」


「良平はどこ?」


「いまトイレ行ってるわ」


「そうですか。ありがとう」



よし、まだ朝ごはんを食べていない。
いいか、良平の今日の朝ごはんは食パンの上に目玉焼きが乗っているやつとベーコン2枚だ。あとはスムージーもどきのヨーグルトドリンク。


『当たったらきもーい』


クラスの女子か。






『・・・・うそ』


「このパンご近所の齋藤さんに頂いたのよ。すれ違ったらお礼いってちょうだいね」

「ういーす」



良平が美味しそうに頬張っていたのは、ぼくの言った目玉焼きが乗った食パン。
別の皿にベーコン2枚。


赤の悔しそうな声が聞こえたにしたが、ぼくの言ってることは正しかった。


『・・・・ふーん。本当変な人』

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