
キラキラ
第31章 イチオクノ愛
ちょっと……ちょっと……もしもしお二人さん?
俺が一人でアワアワしてるうちに。
松潤は、そのままゆっくり体を倒し、支えていた翔ちゃんを床に組み敷いた。
「唐突だな……おい」
翔ちゃんが苦笑いして、松潤を見上げてる。
前髪が乱れ、まるいおでこが全開になっている。
いつもカッコよくて隙のない翔ちゃんが、突然可愛らしくみえた。
松潤が、フッと笑い、そのおでこに軽くキスを落とした。
「翔くんが変なこというからでしょ……」
対する松潤はというと、掠れたような低音を吐き、末っ子のくせにガッツリ雄の表情になってる。
傍にいる俺の方が、なんだかドキドキしてしてきた。
いや……二人つきあってんのは知ってるけどさ。
その中身までは知らないじゃん?
こんな甘いやりとり……こんな完全なプラベ……
俺が知ったらだめなやつでしょ…
でも見ちゃいけないと思えば思うほど、いつもの二人とのギャップに、目をそらせない。
フローリングに横たわる翔ちゃんの体を、松潤がそっと撫でた。
ティーシャツのすそから、脇腹にそって、入ってゆく指先を見守りながら、俺はゴクッと生唾を飲む。
するするとたくしあげられてゆくシャツに比例して、翔ちゃんの引き締まった白い肌が段々と見えて。
胸の辺りで、その指がとまると、翔ちゃんの体がピクリと跳ねた。
「おまえが先に言い出したんだろ…やめっ……」
「やめない」
言って、松潤は翔ちゃんのその唇をふさいだ。
わあっ……しちゃった!!
俺の存在なんて気にもとめてない二人は、少しずつキスの熱量をあげていってる。
重ねただけのやつから、絶対舌はいったやつになってる!
これは……ヤバいやつだ。
見ちゃいけないやつ。
この先も見てしまったら、俺、二人と仕事できねーかもっ。
「んっ…はぁ……ん…はっ」
「…はぁ……翔くん…もっと舌だして…」
「や……んっっ」
松潤の長い指が翔ちゃんの顎にかかり、顔を傾けた松潤の唇が、より深く翔ちゃんに重なったのがみえて。
苦しそうに眉をよせた翔ちゃんの表情が、次第に力を失い、やがて松潤の唇の動きを追うように、おとなしくその口づけを受けはじめた。
やっば!!
翔ちゃんマジ可愛い!!!
俺は、二人のキスを間近でみて、ひそかにコーフンしてきた。
