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キラキラ

第31章 イチオクノ愛



松潤ちのリビングの上で眠ったり起きたり、とうつらうつらしてるうちに……朝になった。


「……おはよ、ハルオ」


小さくあくびをしながら、スエット姿の松潤がキッチンに入っていって冷蔵庫を開ける。

松潤って、朝が得意じゃないと思っていたけど、……きっと翔ちゃんのために早起きするんだね。

愛だな~。

キッチンで忙しく動いてるそんな松潤は、俺の朝御飯も用意してくれた。

ありがたく、ミルクとソーセージを食べてると、寝室からよろよろと翔ちゃんが起きてきた。


寝起きの翔ちゃんは、全く色っぽくなく、ただのオッサン(笑)


覚束無い足取りでこちらに歩いてくる翔ちゃんに、松潤が、苦笑しながら声をかけた。


「おはよ、翔くん」

「……ん、はよ」


そのまま、体を投げ出すようにソファに座り込んだものだから、松潤が苦笑いして水を持っていく。


「大丈夫?」

「……大丈夫じゃねーわ…太腿と腰が死んでる…」

「どこ?」

「ん……あ……そこ」


マッサージを始めた松潤に、翔ちゃんが体を預けた。


「っ痛……いてー…やべー」

「ふふ……今日、ボール蹴れないね」

「……他人事だな!おまえ、俺のぶんまで全部やれよ?」

「ダメだよ。なんでやんないのか説明しないといけなくなるよ?」

「お前のせいっていうわ」

「翔くんが恥ずかしくなければそれでもいいけど」

「…………」



ああ……たまに翔ちゃんの動きが緩慢だったのは、前日の運動のせいだったんだね。


なんだか納得して、俺は、思わず笑ってしまった。




犬になってからというもの、曜日の感覚が完全に狂っていたけれど、今日は冠番組の収録日だったみたい。

だからかな。
昨夜は生番組終わりの翔ちゃんが松潤ちに泊まりに来てたんだね。


翔ちゃんと松潤の同伴出勤に俺も混ぜてもらい。


いつもの楽屋にそっとおろしてもらった俺は、とことこと歩き、にのの定位置のソファにちょんと座った。


「……まるで、にのを待ってるみてーだな」


翔ちゃんがクスクス笑うと、松潤もふふっと微笑んだ。
俺は、うんうんと頷いて、その場に寝そべった。

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