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キラキラ

第31章 イチオクノ愛


金髪ヒラヒラ男の言葉に、場の空気が、一気に不穏なものに変わってることなんか意にも介さず。


その金髪は、悪びれもしないで、てへへと笑ってる。


でも、俺以外の四人は、敵意をむき出しにしてるか、嫌悪感丸出しにしてるか、とにかく友好的な雰囲気をもってるやつなんか、誰一人いなくて。


あのリーダーですら、嫌な顔をして、金髪をみつめてるもの……。


……俺だけ知らないってことは、やっぱりあのパラレルなんとかに関係してる人物だからかな?
リーダーにまで、こんな表情をさせるってことは、リーダーもこいつを知ってるってことだよね?


「相葉くん以外のみなさん、お久しぶりだね」


優男のような甘い声で、金髪は四人を見渡した。


眼下のにのの表情は、硬く。
周囲に目を走らせれば、松潤は、怒ったような顔で。
リーダーと翔ちゃんは相変わらず嫌な顔で。

それぞれがそれぞれに、こいつに苦い思い出があるみたいだった。


「……あんたが現れるのは、総じて最後の種明かしのときだったはずだ。しかも変な空間で。……今、なんの目的があってここにいる?」


翔ちゃんが淡々と告げた。


いつも、にこやかな翔ちゃんが、能面のような顔になってる。
あれされるとめちゃくちゃ怖いんだよね。
昔から、理詰めで叱られるときは、決まってあの顔だから、自然と背筋が伸びる。

でも、この金髪は、あろうことかニコニコ笑って。


「えー?だって、これが種明かしだもん」


そう、すまして言った。

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