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キラキラ

第31章 イチオクノ愛


「……種明かし?」


松潤が呟いた。


「うん、そう」


金髪は、にっこりして俺をみた。


「ごめんね、相葉くん。」


そいつは、これまでの意地悪い顔から一変させ、穏やかに微笑んでみせた。


「ほんとはさ、あなたもみんなと同じように別の世界に行ってもらう予定にしてたんだけど……ちょっとだけ嵐になってみたいと思ったんだ、俺」

「……」

「今までずっとみてきたけど、嵐ってすごくいいグループだからうらやましくなっちゃって。入れ替わったの」


そこまでいって金髪はペコリと頭を下げた。


「ごめんなさい」


…………。


俺は、どんな顔をしたらいいのかわからなかった。
だって、こうもストレートに素直に謝られると困る。

責められないじゃんか。

確か、俺、こいつのせいで飢え死にしかけたけど……。
もっと怒っていいとこだよね??


ぐるぐる考えていると、金髪はそれを見透かしたかのように、言った。


「本当に命の危険が迫ったりしたときには、このゲームは強制終了するよう、プログラムしておいたよ。あなたが無事なのは偶然じゃなくて、必然なんだ」


「…………は?」


あれで?!
俺がどんな思いでこの一週間生き抜いたか……!
俺のメンタルは置き去りかよ?!

温和な俺も怒っちゃうぞ!


「……ゲームってなんだよ。俺、相当過酷な目にあったんだけど?」


思わず低い声で、問いただせば、


「それが、こいつの常套手段だよ、相葉くん。俺たちの気持ちなんて、二の次だ」


いち早く状況を飲み込んでると思われる松潤が厳しい顔で、吐き捨てた。


すると金髪は、やだなぁ。とコロコロ笑った。


「結果オーライでしょう?潤くん、あなたの時だって、翔くんのことを改めて大事だなって思えたでしょう?そのための経験だよ」


「……やり方が気に食わねえんだよ」


「それはその人次第。だって、翔くんなんかは、幼稚園の先生になって、楽しんでくれてたし」


反論する金髪を前に、みんなの目が一斉に翔ちゃんに向いた。

翔ちゃんは、ふるふると首を振り、そんなことねーわ、と慌てて否定してる。
でも、幼稚園の先生だなんて。
翔ちゃんは、意外と適応力あるし、楽しんでたのはあながち間違いじゃないかもね。



「……あの……」


不意に俺の胸元から、にのが小さく声をあげた。


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