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キラキラ

第31章 イチオクノ愛

何故か、にのは俺にしがみついたまま、離れない。
そして俺もにのを抱き締める手を緩めない。

俺たちは不自然なほどしっかりと抱き合ってたけれど。

ようやく、にのが身じろいで、俺の胸から少し離れて、金髪を真っ直ぐに見つめた。


「あのさ……確認だけど。今まで俺らの前にいた相葉さんはあんたなの?」


「うん、そう」


「じゃあ……本物の相葉雅紀はまさかとは思うけど……ハルオ?」


「ご名答」


「…………」


金髪の答えに、にのがゆっくりと俺を見上げた。
俺は、困ったように微笑むしかできなかったけど。
にのの目がそうなの?って言ってるから。


「そうだよ。俺、ハルオだった。ずっと」


にのが、どうりで……というように笑った。


「いやに俺の言うことが伝わる犬だなって……思ってた」

「中身俺だもんね。可愛がってくれてありがとね。俺、嬉しかった。メンバーにも……たくさん助けられたし」


そこまで言って、三人を見渡せば、三人とも微妙な顔をしてる。


……あれ?どしたの?



「……え、相葉ちゃん……ハルオだったってこと?ずっと」


リーダーがおそるおそるといった感じで口を開いた。


「……うん」

「……じゃあ、松兄んち……来たハルオ、あれ相葉ちゃんだったってこと……?」

「……うん……あ」

「……マジか」


リーダーがなんともいえない顔で、口元を覆ったせいで、何を思い出したのか分かっちゃった。

慌てて残りの二人をみたら、松潤も分かったみたいで苦笑してて、……翔ちゃんは真っ赤になって呆然としてる。


「あのっ……俺!何も見てないから!!」


俺は、ブンブンっと頭を振った。


「リーダーが綺麗だったとか、松潤がすげー攻めかたしてたとか、翔ちゃんが、めちゃくちゃ可愛かった、とか、なんにも見てないから!!」

「相葉さん!全部暴露してる!」


にのが、苦笑いして俺の口を覆った。

モゴモゴしながら三人をみたら、リーダーは、頭をボリボリかいて、誤魔化してて。
松潤も、ソファーに体を預けて、苦笑ったまま。
翔ちゃんが、うつむいてなんともいえない顔になってた。

どーしよ、俺言えば言うほど、ドツボにはまりそう!

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