
キラキラ
第31章 イチオクノ愛
「じゃあ、どうして突然ハルオが相葉さんに戻ったの?」
いたたまれない雰囲気に、無理矢理、にのが話題をかえた。
金髪は、ニコニコして、にのの問いに、ゆっくり彼を指差した。
「キーはあなただったんだよ。にの。相葉くんが相葉くんじゃないってあなたが見破った時点で、ゲームオーバーだったんだ」
「……俺が?」
「もう少し持つかなって。1ヶ月くらいは遊べるかなって思ってたけど。そこはさすがだね」
「冗談じゃねぇ。1ヶ月も犬だったら俺死んじゃうよ!」
思わず口を挟む。
確かにみんなに抱っこされて可愛がられて嬉しかったし。
みんなのプライベートにお邪魔してワクワクしたけど。
それ以上に、誰にも気づいてもらえないあの辛さはキツイ。
自分の力だけではどうしようもないあの無力感もしんどい。
メンタル面がやられる。
二度と味わいたくない。
なんか……松潤もこんなこと言ってたな……。
口にするのも嫌だって。
思い出したくないって。
まさか松潤は、犬になったわけじゃないだろうけどなぁ……。
じっと、彼を見てると、俺の視線に気づいたのか、松潤は口をへの字にして、な?そうだろう?という目になった。
俺は、うん、とうなずいて小さく息をはく。
自分が同じ目にあって、みんなの気持ちが分かるだなんてね。
俺は、すまして立ってる金髪に視線を戻した。
……変な格好。
舞台衣裳みたいだ。
ピーターパンの役をさせたらぴったりじゃね?
ちなみに奴の表情は、俺を苛めたおしていたときとは別人のように穏やかになっている。
冷たいあの瞳は、なんだったの?
演技ってか?
……てゆーか……。
「お前なんなの?俺のドッぺルゲンガー?」
そもそもの疑問を投げかけた。
