
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
Satoko
もう信じらんねー……
マリウスと共に、カエラの部屋にむかいながら、俺はちょっぴり怒っていた。
ジュンとショウとここに来たっていったら、あからさまに嫌な顔しやがったミヤ。
俺の話、聞いてたか?
ジュンは、俺を庇って怪我したって言ったじゃんか。
まずは、彼の様子を聞くのが筋なんじゃねぇの?
自分のせいで、というのが重くのしかかってる俺の心には、俺を、まず気遣うミヤの心には、あいにく思いがいたらない。
そりゃあ……
あいつらが俺に特別な感情を持ってるから、複雑なのは分かるけどさ。
じゃあ、どうしたら良かったってんだよって話。
だいたい、おまえが連絡ひとつ寄越さないから、痺れきらして乗り込んできたんだろ。
俺が一人で来たら良かった?
それならそれで危ないとかなんとか言うくせに。
ぶつぶつ思いながら。
『サトコ様は……お怪我はありませんでしたか』
最後に見たミヤの戸惑う顔を思い出す。
抱き締められたミヤの胸の温かさを思い出す。
ミヤの香りは俺の精神安定剤だって、改めて思った。
なのに、なんでこんなこと思わないといけないのだろう。
やっとやっとミヤに出会えて、嬉しかったはずなのに。
ふと、ショウの微笑みと、ジュンの真剣な顔が頭をよぎった。
……二人とキスしてしまったことまで思い出した。
いや……俺も、信じらんないことしたという点では、人の事いえねーか……。
胸がちくんと痛んだ。
