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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


Sho


嘘だろ、という顔をしてるジュン。


まあ、その反応は分かる。
ミヤを探すのが、この旅の目的だったのだから。
本来なら、メデタシメデタシな結末だ。


……でも、サトコ様をみて、俺には違和感が残った。


『ミヤが見つかったんです』


カエラ様とのお茶会から戻られたサトコ様は、微笑んでそう言った。
驚いた俺が、「どこにいたんですか?!」とすごい剣幕で尋ねたら、


『ここに』


ってふわりと笑って。


それでも理解できない俺に、サトコ様は、事の次第を説明してくださった。
ミヤがこの国の王子だなんて展開は、誰も予想してなかったことだから、俺は驚きすぎて、息をするのも忘れてたくらいだ。


「……そうですか……良かったですね」


それでも、ほっとして、素直な気持ちを伝えたら、サトコ様はこっくり頷いた。

でもなんだかちっとも嬉しそうではなくて。

そのときがきたら、もっと、心があったかくなるような、姫の素敵な笑顔が見れることを予想してたのに。


ミヤの立場が微妙で、この国にはいまいち受け入れられてないなんて、俺は夢にも思ってないから、サトコ様の反応の意味がわからなかった。



「……俺のせいかな」


ジュンがぽつりと言った。
俺はふと顔をあげる。

ジュンは、その綺麗な顔で皮肉そうに笑う。


「俺が怪我なんかしてるから、姫は素直になれないんじゃねーの?すごい責任感じてるみたいだし」

「……そうか?」

「この国までつきあわせたやつが、自分のせいで寝込んでるのに、自分だけ幸せに、なんて思えるタイプじゃないだろ。あの人は」


そういって、イテテ……といいながらジュンはまた横になった。

その口元に残りのキッシュを差し出したら、ジュンは、もういらねーよ……と、笑いながら口を開けた。

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