
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
昼御飯を食べたジュンは、また眠った。
痛み止めと称して飲まされてる薬が効いてるらしかった。
すうすうと寝息をたてるジュンの傍らに座り、窓ごしに空を見上げる。
午前中の曇天は一転して、昼からは嘘のように晴れた。
空にうかぶ、ポッカリした雲は白く眩しくて。
昼下がりのそれらは、殊更にのんびりと穏やかに感じることができた。
ふと、国のことを思う。
公務も何もかもほったらかしで……ここにいる。
やるべきことをしなければいけないという責任感と焦りが、自分の想いを上回り始めたのを自覚する。
大の国に行ったまま帰ってこない息子を、父はどう思うだろうか。
勢いだけで動いていたけれど……ジュンのいうように、用済みな俺らはもうサトコ様には必要ない。
ならば……
その先を考えたくなくなり、俺は頭を振って全然別の台詞を口にした。
「……いい天気だな……」
「ああ……」
小さな相槌があり、俺は驚いて振り返った。
ベッドに沈んでるジュンの目が、開いてる。
「……もっと寝りゃいいのに」
「……あんまりガチ寝をしたら夜が寝れねーもん」
呟いてジュンは目を擦った。
サトコ様のいない、二人の部屋は静かだった。
サトコ様をたいそう気に入られたカエラ様は、お茶会からランチまでサトコ様と共にすることを望んだ。
さらに今はお二人で街へ出かけられている。
自分ばかり好き勝手しているようで……、と、戸惑うサトコ様に、俺は、この国の王女のお相手も、立派な仕事なのですよ、と諭した。
すると、サトコ様は、すみません……と申し訳なさそうに頭を下げ、何度も振り返りながら出ていった。
