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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


「サート!」

一人で朝食を食べていたら、入口からひょこっとカエラが現れた。

今日のカエラは、派手な黄色いワンピース。
フリルや飾りなどのないシンプルなそれは、とても彼女に似合ってた。


俺は、ラディッシュをかじりながら、ペコリと礼をした。

カエラは、今頃、朝ごはん食べてんのー?と、からかいながら部屋に入ってきた。


うるさいな。
気持ちを立て直すのに時間がかかったんだよっ


心で悪態をつき、フレッシュジュースをこくこく飲む。


とりあえず泣き虫の虫は追い払った。
ショウとジュンに守ってもらってたから、俺はきっといい気になってたんだ。
ここからは、一人で頑張る。
なんたって、ここにはミヤがいる。


ここまで考えが落ち着くまで、ひたすら黙って下を向いてた俺を横目に、マリウスも黙って、淡々と食事を用意してくれた。

マリウスは、余計な詮索をしてこないという点では、非常にありがたく、初めて、まぁ及第点だなと思った。

デザートに手を伸ばしたら、カエラが隣に座って、いたずらっぽい顔で俺をみて、からかってきた。




「なによぅ。寂しい顔しちゃって」

「別に…そんなこと…」

「あのイケメン王子たちが帰っちゃったから寂しいんでしょ?」


カエラがずばり核心をついてきて、俺の心を抉る。
カエラはクスクス笑った。


「あなたは寂しがりやだから、くれぐれもよろしくって、あの二人に言われてるんだ、私」

「え……」

「先に帰りますって。昨日の晩、ショウくんが挨拶にきたの」

「そう……でしたか……」

「……国からすぐ帰ってこいって言われてるからって。でもバカンス中のあなたを巻き込むわけにはいかないからおいていくって。優しいよね~」


無邪気にいうカエラの言葉が刺さる。


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