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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟

そんな風に話してくれていただなんて、ショウたちの機転には、もう感謝しかない。

だって、それならば、バカンスと称してわりと長めにこの城に世話になっても、おかしくないからだ。


「ねぇ聞いてる?」

「聞いてますよ」


頬を膨らますカエラは、同じ年齢とは思えない。
妹みたいだ。

俺は、ふふ、と笑って、甘酸っぱいオレンジを口にいれた。


「そうだ。サト一人でご飯食べるの寂しいでしょ?嫌じゃなければ今日から私たちと食べよ?」

「……一緒に?」

「うん。マリウスに言っとくね。ランチからこっちに来て?」

「ありがとう……」


御礼をいうと、カエラはにこっと笑んで、今日もお茶しようね、と言った。





変だな、と思ったのは、ランチの席だった。

それまではカエラの部屋でチーズケーキを楽しみながら話をして。
今日はミヤは来なかったのが残念だったけど、
カエラのお転婆な武勇伝は、なかなかに楽しめた。


そして、昼になったから、カエラとともに食事に向かったときだ。

やっと、ミヤの顔が見れる、と思ったのに……いないのだ。


あいつ王子だろう……?


大広間の長いテーブル。
銀の燭台が真ん中にあり、リョウ様と、その父親と母親。燭台を挟んで反対側には、やたらと目鼻立ちの整った男性が一人で座っていた。


すると、これがタクヤ様……?
でもタエがいない。


なんで?
なんで俺の国から来た二人がここにいないの?

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