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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


とりあえず、初対面のカエラのお父様とお母様にご挨拶する。

カエラの口添えでここに泊まってる御礼を言ったら、事故でというきっかけがきっかけだっただけに、逆に気を使われて、恐縮した。

カエラの両親にしたら、おだやかな物腰のご夫婦
の印象だな、と思う。
このような方々に伸び伸びと育てられたから、こんなに純粋で無邪気な姫になられたんだろうな、と思った。



「ごゆっくりなさっていってくださいね」

「ありがとうございます」


にっこりと言われ、俺はよそ行きのお辞儀をしてみせた。
リョウ様は、そのとなりで、俺がカエラの破天荒な言動に振り回されてやしないか、と、懸念してくれていて、笑ってしまったけど。



次に、俺はやたらと長いテーブルの端に一人で座ってる男性の傍に向かった。
組んだ指に顎をのせ、俺を上目遣いで見る彼は、近くでみるとさらに凄みを増す眼力。
整った顔立ちで、凄まじいオーラがある。

リーダーとはこんな種類の人だ、と手本にしたいくらいだ。

俺は、ゆっくり頭を下げた。



「……はじめまして。タクヤ様でいらっしゃいますか」


彼は、俺をじっと見上げて、片頬をあげて少し笑った。


「そうですが?」

「大の国の長女にございます。サトコと申します」



彼の目が、ふっと見開かれた。

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