
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
「大の国……?」
タクヤ様が体を起こして俺を見上げた。
明らかに興味をもってくださった表情に、俺は、頷いた。
どこまで突っ込んだらいいんだろう。
あなたの子供であるミヤに会ったこと?
それともタエと結婚したいのにできなくて困ってること?
一瞬迷ったけど、呑気にしていられるほどの時間は俺にはない。
ここに永久に泊まれるわけじゃない。
俺は、腹を決め、何食わぬ顔でにっこり笑った。
「はい。こちらの国に私の国の者がお世話になっていると聞いてます。ありがとうございます」
「…………」
「二人ともどちらに……?」
「……この食事の席には来ない」
低く答えるタクヤ様に即座につっこみたくなる。
わかるよ。見りゃわかんだろーが、そんなもん!
謎かけじゃねーんだよ、と思いつつ、俺は、そのようですね、と言った。
「……タエに……会いたいのですが…?…」
すると、タクヤ様の顔が、わかりやすく曇った。
俺は一気に不安になる。
歓迎されてないミヤ。
結婚を反対されてるタエ。
ここにいない……二人。
なんだよ……監禁でもしてるってのかよ?
俺は、くじけずに、小首をかしげ、もう一度たずねた。
「タエは、1ヶ月以上顔を見ておりません。寂しく思っていたところなんですが………会わせていただけませんか」
すると、あまりに直球な俺の要求に、少し怪訝な顔になったタクヤ様は、
「あなたは、何故ここへ……?タエに会いにきたのですか……?」
逆に俺に話を投げ返してきた。
だよな。ここにいること、その場にいなかった俺らが知りえるわけねーもんな。
「いえ……そもそもは違うのです」
俺は先日の事故の話、連れに二人の王子がいた話などをした。
ここに来たのは全くの偶然であると。
「そう……でしたか。それは申し訳ないことをしました」
タクヤ様は、合点がいったというようにつぶやき、神妙な顔つきで頭を下げた。
