キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
俺とタエが再会を喜びあっているうちに、タクヤ様は、明らかに俺に対する雰囲気を和げられたようだ。
触れてくれるな、という、ビシバシでてたオーラが、なんだか今は優しいものになってる気がする。
表情もきついものから、穏やかなものになってる。
「……タエは、妃の使いではありましたが、同時に私の乳母でありました。タクヤ様のお子様と同じように、共に育てていただきました」
そういうと、タクヤ様は嬉しそうに頷かれ、
「……では……カズナリとも仲良くしてくれていたのですね」
ありがとう、と礼を言われてしまった。
いやいや、仲良くどころか、とんでもなく深い関係だけどね……と、心で突っ込みながら、さてこれからどうしようか、と考える。
聞いていると、二人の結婚に反対ムードなのは昔からのジジイだけで、国王陛下がどう思っているのかは謎だ。
これは……俺が一肌脱いでやろう、と思った。
陛下をつかまえて、タエを売り込むんだ。
陛下が、うんといえばジジイどもも黙るだろう。
「サトコ様……？なにか企んでませんか？」
うつむいて、ぶつぶつ考えていたらタエが心配そうな顔で俺をのぞきこむ。
「……え？なにも？」
鋭い。
「変に動いて、サトコ様の立場が悪くなったりしたら嫌なので、やめてくださいよ？」
「大丈夫大丈夫。何もしません」
タエの静かな視線は、いつも俺の隠し事や企みをあぶり出す。
小さい頃からそうだ。
ミヤと二人でいたずらをしようとしても、その準備段階でいつもばれた。
この人には隠し事はできないのだ。
やばいやばい。
俺は、何食わぬ顔をして、べつの話を振った。
「……母上には、報告したのですか？」
大の国で、タエの帰りを待つ俺の母上は、誰よりもタエを信頼し、全てを任せていたから。
するとタエは、はい、と頷いた。
「もう、帰ってこなくていい、と」
は？！
母上？！言い方！！
あまりの言いぐさに、俺がびっくりして顔をあげたら、タエは肩をすくめて、うふふ、と微笑んだ。
「幸せになりなさい、と言ってくださいました」
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