
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
夜が明けて。
テンションを少しでもあげていこうと、自前のお気に入りの濃紺のワンピースに着替えた。
姿見で、確認しながら、長い髪の毛をブラシでゆっくりととく。
バカンスとはいうものの、そんなに長い期間、姫の立場で、しかもたった一人でよその城に滞在し続けるのは不自然だ。
カエラのお気に入りだなんていう理由も、効力あるのはせいぜい一日か二日。
今日明日中が勝負だな、と思う。
よし……やるぞ。
窓越しに青い空を見上げて、ぱちんと頬をたたいて。
気合いをいれ食堂に向かった。
俺はまず朝食の席を狙うことにした。
善は急げなら、早い方がいい。
向こうの出方次第では、何度もアタックする必要がでてくるかもしれないからだ。
俺は、ドキドキしながら、席についた、
……だが、待てど暮らせど陛下は姿を現さなかった。
……あれ?
「カエラ?国王陛下って朝は一緒にはとられないの?」
「うん。そうよ」
彼女の話によると、国王陛下とお后様は、自室でお食事をとられているようだ。
一族と食事をとるのはディナーのみとの話だ。
……ふうん……なぁんだ。
肩透かしをくらった気分。
……ちなみに、あいかわらず、タエとミヤの姿もない。
来客扱いだから、二人とも部屋で食べているとのことだ。
カエラは、ミヤにも、気にせず一緒に食べようって誘ってはいるらしいが、頑なに固辞するらしい。
まぁ……微妙な立場だからなぁ……と、ミヤの心情を慮る。
できれば二人きりで話したいし……ディナーの前には、陛下をつかまえたいな……
