
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
「サート。いい天気だし街にいこう?」
朝食も終わり、各々が部屋に戻ったりしてるなかで、カエラが、コーヒーを飲みながら、窓の外を眺めてそんな提案をしてきた。
「え……」
いやいや、俺はそれどころじゃなくって。
国王陛下に直訴っていうすげー指名があるんだけど……って、
そんなこと言えないし。
どう返そうか口ごもっていると、それを遠慮しているととったのか、カエラは大きな口で、にっと笑った。
「せっかくの旅なのに一人で暇でしょ?カズも誘ってさ、三人で美味しいクロワッサン食べにいこ」
ミヤも……
俺はたちまち意思が揺らぎ、気がついたらこくりと頷いてた。
だって、俺が行かないって言ったら、カエラと、ミヤで出かけちゃうかもしれない。
……それはそれで嫌だもん。
陛下も午前中は、公務とかで留守にされるかもしれないし。
勝負は昼からにしよう。
俺は自分に、最もらしい理由をつけ、あとで迎えにいくといったカエラに頷き席を立った。
結局、ミヤに会いたいんだ、俺。
マリウスの案内で、城の玄関でもあるホールに向かう。
そこには、さっき着ていた黄緑の短いワンピースに、何が入ってるの?というくらい小さな鞄を手にしたカエラと、みたことがない格好をしたミヤがいた。
「おはようございます」
ミヤに、にこりと挨拶されて、俺が思わず見惚れて立ち止まっていたことに気づく。
白のパンツも、薄い水色のジャケットも……そんなカジュアルな格好をしたミヤを初めてみた。
軽くセットした髪といい……
「サト……?おーい、サト?」
「……え?……あ」
目の前で、カエラに手のひらをひらひらとされ我にかえった。
「どうしたの?」
「いえ……なんでも」
あわてて笑顔をつくる。
今までのミヤの印象と違いすぎて、俺は乙女みたいに胸がドキドキしてた。
