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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


やべ……俺らがほんとに恋人同士だなんてバレたらダメじゃん。


カエラにつっこまれて、慌てて言い訳した。


「もともとは幼馴染なもんでつい……ごめんなさい」


感情のままに怒鳴ってしまったことを後悔する。
普通の主従関係ではあまりみない言いあいだ。
痴話喧嘩とみなされるのはまずい。


「……すみません」


ミヤもむすっとした顔で謝ったが、上っ面だけなのがよくわかる。


くっそ……腹立つな!!


涼しい顔をして、パンをかじるミヤ。

なんでそんなにショウたちに敵意をもってるのか。
そりゃ心配してくれるのはありがたいけど、このケースでそれはないだろ?
二人きりになったわけでもないのに。


俺は黙って、そのまま手に持ってたクロワッサンを口におしこんだ。
リスのように口をふくらませて、怒りのままにもぐもぐした。

微かな後ろめたさも、存在するのは確かだけど。

……そりゃ、キスしちゃったけど……。

でも!
なんにも知らないくせに……!
俺がどんな思いでおまえを探してたか、想像つかねーくせに……!


「ぅっ……」

「ああ、もうサト!口にいれすぎ!大丈夫?!」


喉に詰まりそうになり、目を白黒させてたら、カエラがトントン背中を叩いてくれた。

しばらくして、傍らから、どこからか水を調達してくれたのかミヤが紙コップを差し出してくれて。

一瞬突っぱねようかと思ったけど、これ以上もめると、さすがに何かあるとカエラに深読みされそうで、ありがと、と受け取った。


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