
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
「……失礼します」
執務室のようなそこは、入ってすぐに大きなソファーとテーブル。
さらに部屋の一番奥のテーブルには、窓を背に座っている人物。
俺は、緊張しながら、はじめまして……と、挨拶をした。
すると、座っていた国王陛下は椅子からおもむろに立ち上がり、こちらにゆっくりと歩み寄ってきた。
「……はじめまして。先日の我々がおこした事故に巻き込まれた、とお伺いしましたが。あなたはお怪我は?」
低い柔らかな声。
高齢ときいていたから、もっと年をとった、よろよろのじいさんを想像していたが、目の前に立つ人物の足取りはわりと軽く、髪の毛とヒゲが白い他は、まだまだ現役でいけそうな風体だ。
ただ、さすがに一国を担っているだけあり、風格はすごくて。
父上もそうだけど、やはりもってる何かが違うんだよな。
俺は、その圧に気圧されながら、
「いいえ……大丈夫です。ありがとうございます」
と、腰を折った。
すすめられるまま、ソファーに座る。
目の前に同じように座る人物の目は、構えていたほど怖いものではなく。
目尻の深いシワに、優しささえおぼえる。
さらに、茶色の瞳が、どうにもミヤを思い出させた。
そういえば、タクヤ様も綺麗な茶色をしていた。
一族はやはり似るのだな、と思った。
