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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟

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そのあとの、城としての対応は早かった。

次の日の晩には、ディナーの席で、一族、配下、召し使いなど城の内部にいる人間に発表があった。

俺は、同席を遠慮したので見てないが、カエラの話では、今までのミヤやタエの扱いはなんだったんだ?というくらい、唐突に、ようこそ的な和やかな雰囲気になったらしい。

まぁ、国王陛下自らが認め、発表があったのならば、例え他の連中が反対したくても、もうできないのだろう。

うるさいジジイどもは、黙ってるしかなくなったわけだ。



……ほんとによかった……。



タエとタクヤ様の婚礼の発表は、明日にでも国外と国民に通達がいくという。

しばらくは、このニノ国は、お祝いムード一色となるのだろう。



俺は、ふう、と小さくため息をついた。
鞄に身の回りのものをつめながら、真っ暗な窓の外を見上げた。

夜空には白い月が浮かんでる。
星もみえる。
雲がない晴れた夜空だから、それは綺麗なはずなんだけど。

大の国でみる空と、全く同じはずなのに、一人でみる空と、ミヤと二人でみる空はこんなにも違うのだな、と思った。

綺麗なものを見て、すぐに「綺麗だね」って、共有できる人間が傍にいないのは……やはり、寂しい。


ミヤがいないことに耐えれるかな……俺。



思いながら、鞄のチャックを閉めた。


明日、俺は国に帰る。


最初は、ショウやジュンみたいに、早朝の暗いうちに旅立とうと思った。


ミヤの顔を見たら、寂しくて帰れなくなると思って会わない作戦だ。


二人の王子と同じことをしてる自分に気づき……なんだかすごく今になってあの二人の気持ちが分かる。


帰るというこの気持ちが揺らぎそうで、会えないんだ。

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