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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟



ミヤは、心底驚いたという顔で顎に手をあててる


「そうか……そういう考えもあるんですね……」


あまりにも急展開な現実についていけずに、冷静に物事を見てなかったのは、俺もミヤも一緒のようだった。

俺は、コクンとうなずいて、ミヤの手をぎゅっと握り直した。


「……そうだよ。俺たちがどうしてもこれまでクリアできなかった、身分の違いという壁を、これは越えれるチャンスでもあるんだ」


「…………」



俺の言葉に、ミヤの顔つきが明らかに変わった。

戸惑いしかない色をしていた瞳に、力が宿るのを見た。

おや?……と思っていたら、


「…………」


俺は、握っていた手を引っ張られ、そのまま温かな胸に抱きこまれる。


…………ミヤの熱い吐息を耳元に感じる。


俺は、彼の肩に額をおしつけ目を閉じた。
俺の心臓は、すごい早さでとくとく鳴ってて。

俺はひたすら黙って、ミヤの返事を待った。

やがて。
小さな吐息のあと。


「……約束します。絶対迎えにいく」


絞り出すような声が耳元でした。


「今……決めました。あなたがこの国に残れというなら私は残りましょう。だけど、近い将来必ずあなたをもらいにいきます……」


欲しかったその言葉に、俺はまた目頭が熱くなった。


「うん……待ってる。ずっと待ってる」


ミヤの胸にぎゅっと抱きついた。
この温かさとこの感触を忘れないでいたいと思った。


しばらくのお別れだから。
全身でミヤを感じたいと思った。


枯れたと思った涙が、また流れる。
もう……目が腫れて明日は別人のようになってるかも。

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