
キラキラ
第35章 屋烏之愛
「まぁ……俺はあんまりやる気はないけどな」
「……そうしてください。怪我されても嫌だし」
言って、ポテトの塩のついた指をペロッとなめたら、松本が、ふと、思いついたようにやらしい顔になった。
手首をぐっとつかまれる。
「……え?」
なんですか、と言おうとしたのと、俺の人差し指が松本の口の中に吸い込まれるのが同時だった。
「!!!」
驚いて、身を固くする。
松本は、そのままゆっくりと俺の指を舐める。
暖かい粘膜に包まれ、生き物のような舌が、くるりと俺の指を撫でた。
性感を伴う、その……愛撫とでもいうのか。
カッと体が熱くなり、声をだしそうになったのをギリギリで押さえ込んだ。
「……っ」
「ごっそさん」
ぱっと離された手に、あわてて腕を引く。
ドキドキして、胸が破裂しそうだ。
なんてことを!なんてことを!
「何するんですか……!」
真っ赤になって、小さく怒鳴れば、松本はしれっと笑って、かたひじをついた。
「おいしそうだったから」
「おいしいわけない!」
必死で怒鳴り返す。
なんだか、松本には翻弄させられてばかりだ。
「感じちゃった?」
「……っ……なわけ、ないでしょ!!」
でも……ちょっとえっちだった。
言わないけど。
