
キラキラ
第35章 屋烏之愛
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天気予報上は台風が来るとあったから、あわよくば雨で流れろ、と念じていたにもかかわらず。
列島に到達前に、ぐいんと進路がそれたせいで、体育大会当日は、見事な秋晴れに恵まれた。
保護者なども観戦に来れるようで、門扉は開け放しており、なんだか学校全体がザワザワしてる。
俺は、開会式前の空き時間、手持ち無沙汰で裏庭に来ていた。
「よぉ」
「おはようございます」
そこには、いつものメンツがぱらばらと思い思いに過ごしていて。
いつもは大人っぽい先輩らが、体操服姿になると、なんだか年相応にみえてちょっぴり可愛い。
ベンチに寝転んでる松本のそばに行き、ちょんと座る。
「……松本さん、そーいや、個人は何の競技にでるんですか?」
「……知らねぇ。委員長が勝手に決めてたから、あとで聞く」
なーんだ……それじゃ見落とさないように気を付けないと……
ちょっとがっかりしてると、飲むゼリーを吸いながら、相葉がニコニコして寄ってきた。
「二宮って何組?」
「三組です」
「あ、じゃあ同じチームだね!」
「……?」
「知らないの?三学年、縦割りで対抗だから、同じ組で同じチームだよ。俺二年三組」
「そうなんですか!」
興味ないから、委員長の説明内容ほとんど聞いてなかったから初耳だ。
え、そしたら……
俺が、戸惑うように目を向けたら、松本がニヤリと笑った。
「潤も上田も同じクラスだよ。三組」
後ろで、相葉の声がして。
わぁ……ちょっと嬉しい。
少しだけワクワクしてきた。
天気予報上は台風が来るとあったから、あわよくば雨で流れろ、と念じていたにもかかわらず。
列島に到達前に、ぐいんと進路がそれたせいで、体育大会当日は、見事な秋晴れに恵まれた。
保護者なども観戦に来れるようで、門扉は開け放しており、なんだか学校全体がザワザワしてる。
俺は、開会式前の空き時間、手持ち無沙汰で裏庭に来ていた。
「よぉ」
「おはようございます」
そこには、いつものメンツがぱらばらと思い思いに過ごしていて。
いつもは大人っぽい先輩らが、体操服姿になると、なんだか年相応にみえてちょっぴり可愛い。
ベンチに寝転んでる松本のそばに行き、ちょんと座る。
「……松本さん、そーいや、個人は何の競技にでるんですか?」
「……知らねぇ。委員長が勝手に決めてたから、あとで聞く」
なーんだ……それじゃ見落とさないように気を付けないと……
ちょっとがっかりしてると、飲むゼリーを吸いながら、相葉がニコニコして寄ってきた。
「二宮って何組?」
「三組です」
「あ、じゃあ同じチームだね!」
「……?」
「知らないの?三学年、縦割りで対抗だから、同じ組で同じチームだよ。俺二年三組」
「そうなんですか!」
興味ないから、委員長の説明内容ほとんど聞いてなかったから初耳だ。
え、そしたら……
俺が、戸惑うように目を向けたら、松本がニヤリと笑った。
「潤も上田も同じクラスだよ。三組」
後ろで、相葉の声がして。
わぁ……ちょっと嬉しい。
少しだけワクワクしてきた。
